【弱い?強い?瓦とは】豊中市 屋根の修理・雨漏り専門店ミスタールーフ屋根博士による屋根の材料に関するうんちく②
助手の織田
豊中市のみなさま、新年明けましておめでとうございます!
屋根の修理・雨漏りを専門としておりますミスタールーフです。
今回も前回同様屋根博士に屋根の材料に関するうんちく傾けてもらいたいと思います!
それでは、屋根博士よろしくお願いいたします。
屋根博士
豊中市のみなさん、新年明けましておめでとうございます。
屋根博士じゃ。
今回は瓦について話していこうと思う!
瓦は「和瓦」と「洋瓦」の二つに分類することができる。それぞれの特徴を以下にみていこうかの。
和瓦
和瓦(日本瓦)は粘土を焼き上げる瓦で、表面に釉薬(ゆうやく、「うわぐすり」とも読む)を塗ってコーティングが施された釉薬瓦と釉薬を用いずに焼き上げた無釉薬瓦の二種類に分類される。
釉薬とは、瓦の表面に色・色ムラ・ツヤなどの光沢や味わいを出すほか、液体の浸透を防ぐ・割れにくくする・汚れにくくするなど様ざまな効果のあるガラス質の素材なんじゃ。形は基本的にJ形瓦が多い。
無釉薬瓦とは、その名の通り、釉薬を塗っていない瓦でいぶし瓦や素焼き瓦、練込瓦、窯変瓦などの種類があるんじゃ。無釉薬瓦は、お城や社寺、和風な住宅の屋根に使用されることが多く、形は釉薬瓦同様J形瓦が多い。特にいぶし瓦は、最終工程で煙でいぶすことにより、表面を炭素膜で覆われたものであり、釉薬を施した瓦よりも渋い光沢感が味わえるのじゃ。和風建築にぴったりの屋根材となっておるんじゃ。
和瓦は基本的にメンテナンスが不要といわれていますが、どうしても瓦のズレなどが生じてしまうので、雨漏りを発生させないためにもやはり定期的にメンテナンスをする必要はあるんじゃな。耐用年数は50年以上とも言われている。しかし、塩害には弱く、沿岸部や豪雪地帯での利用には適していないんじゃ。
洋瓦
洋瓦は主にフランス瓦、スペイン瓦の二つに分けることができる。
まずフランス瓦からみていこうかの。
フランス瓦は、別名「ジェラール瓦」とも呼ばれておるんじゃ。なぜ「ジェラール瓦」と呼ばれるようになったのか、その由来についてみていこう。
由来を解明するには、時代を幕末まで遡る必要があるんじゃ。織田君、幕末とは何年くらいじゃ?
助手の織田
坂本龍馬や西郷隆盛の時代ですね!確か、1853年にペリーが来航していわゆる幕末という時代がはじまったと勉強しました。
屋根博士
そうじゃの。この時、徳川幕府は鎖国政策を取っておったが、外国の圧力、後の維新政府の圧力に屈し、ペリー来航以来、港などを開港していったのじゃ。
開港に連動して、外国人もたくさん日本に入ってきて、外国の文化が日本に入ってくるようになったのじゃ。幕末の文久年間にやってきて、帰国まで横浜にいた、アルフレッド・ジェラール(Aflred Gerard,1837-1915年)もその内の一人であった。
実は、アルフレッド・ジェラールについては研究が進んでおらず、来日時期や帰国時期も曖昧なものである。来日は横浜で発行された最も古い英字新聞である「ジャパン ヘラルド」紙(1864年9月24日付)に掲載されて彼の広告から1864年ではないかと推察されている。この時の広告は、アメリカの小麦などのセール広告であり、特に瓦などの記述はなかった。また、帰国に関しては、居留外人人名録をみると一応1905年に帰国となっている(帰国に関してはさらなる調査が必要じゃ)。
ジェラールは輸入雑貨商、水の販売、肉屋など様ざまな顔を持つが、瓦に手を出したのは1875~1905年と人名録に記録されている。なお、これも正確ではなく、ジェラール製の瓦に1873年と記されていることからこの年に瓦製造に着手したものと考えられるのぉ。
ジェラール瓦は、開港間もない横浜にとって非常に重要なものであり、教会や外国人向けの劇場、ホテルなどに利用されるようになっていくんじゃ。日本では、西洋瓦を製造している場所はなく、輸入物に頼っていたのじゃな。しかしそうなると品薄になってくるのは明白じゃな。そこに目を付けたのが、アルフレッド・ジェラールで、横浜の元町に瓦工場とレンガ工場をつくったのじゃ。
また、1880年2月22日京浜地震が起こり、地震後調査をした結果ジェラール瓦は壊れていなかったようじゃ。それも相まって、洋瓦は注目されるようになってきたのじゃ。
ジェラール瓦の形は長方形で、上下左右に爪状の凹凸をつけ、相互を噛み合わせながら、瓦桟に引っ掛けていくという施工方法みたいじゃな。
一方で、日本における洋瓦の生産は、1917年の「日本洋瓦」という会社を設立したのを発端にその歴史は始まる…
助手の織田
博士、今回はこのへんで、、、
屋根博士
おぉ、すまんすまん。では、次回に回すこととしようかの。
豊中市のみなさん、今回はこの辺で失礼します。
次回は、日本における洋瓦の発展についてみていこうかの。
豊中市の屋根の修理、屋根の葺き替え、雨漏りのご相談はミスタールーフまで!
参考資料
澤護「アルフレッド・ジェラール―横浜に於ける水屋・瓦屋の魁-」千葉敬愛経済大学経済学会編集委員会
編『千葉敬愛経済大学研究論集』第32、33合併号、千葉敬愛経済大学経済学会、1988年。
西堀昭「幕末・明治期の横浜のフランス人起業家アルフレッド・ジェラールについて」横浜国立大学経営学
会編『横浜経営研究』第21巻、横浜国立大学経営学会、2000年。